数日前、私の友人の中で、最も強迫的で、ガリ勉で、内向の世界に生きている女の子に連絡をして、長電話をした。綺麗なものが見つからなくて寂しかったから。「以前お会いした時に夜神月の話をされていましたよね?」と言われた。
「美人さんが夜神月好きなのって、男性ジェンダーに振り切れてて、脆さが透けて見えるところ、そこで女性的な弱さが見えるのが性的だからですよね?」
と言われて、絶叫してしまった。ダメすぎるから。本当すぎて、にっちもさっちもいかない。
「あ゛!あ゛!あ゛!!あ゛!」
言い当てられて気持ちよくなりたくて通話して、言い当てられて気持ちよくなってしまった。自分のいちばん恥部のところを照らされて、恥ずかしくなりたい。でもどうやら、その暴き合いができるのは、自分もそっち側に生きると決めた人同士でないといけないらしい。もっと言ってほしい。
「美人さん、過労死しそうな人のこと、好きでしょう?」
と言われて、ンンンンンン!!!!ってなっちゃった。あれって、私があえてそういう人を選んでいたのか。はい、好きなんだよね…。
追い討ちは、「ケアで籠絡させたい、みたいなところあるでしょ。」
である。
フィニッシュ♡
自分のケアが一番映える場所を探してるんであって、それって性欲なのかもしれないっすね。と話していた。「まあまぁ、そういう自己もある、くらいにね。」と言われたけど。だから、中途半端なものをケアしようとすると、「全然大したことないじゃん!」と言ってキレてしまう。多分根源がフェチと性欲からきてる可能性があるから、選り好みしているんだろうな。
「美人さんがケアをやりたい場所には、"美人さんより男性ジェンダー度合いが低い人お断り"って張り紙しとけばどうですか?」
と言われて笑ってしまった。ケアする気ないだろ。そうかもしれないな。切羽詰まったものの耐えにしか興味がないんだよなー。自分が限界までやって、その時にフッと助かるものがあって、その裏返し。
でも、他人の姿をかりた、自慰行為であり、結果本質的なマチズモの中でしか生きられず、そういうものしか愛せない。
という理由で、互いに互いの精神的恥部を触り合ってぐじゅぐじゅになっていた。
その子に、「私は殉教者を目指してる」と言われて好きになっちゃった。私は孤独が怖いから、暗室の中で孤高の真理に向かう人にはなれない、2番手でないと、人の背中を追えないから。
電話口の彼女は「高校の時に先生に"あなたは山月記の李徴すぎる"と言われた」と、話していて、私のテンションが上がってしまった。本人は「悪口すぎませんか!?!?」と言ってたが、「いやー、こんな人に会うために、私も頑張ったんだと思います。」とか返してしまった。
別の友達にその話をしたら、「それを悪口だと思わないのは袁傪側」と言われた。確かに、そうだな、と思う。でも、私は高校生の時李徴側と思っていて、多分私のことを李徴っぽいと、言う他者もいると思うし、ざっくり人口分布で言うと、李徴側の部類に入ると思う。
ただ、本当の頂点を目指す魂を覗いた時、理性の化け物よりかは、私はほんの少しだけ、柔らかいんだと思う。そのほんの少しの柔らかさが映える場所がある。そういうところを探してるんだろうな、と思う。だから、そのささやかな差に、愛が溢れるんだと思う。向こうから流れ込んでくるのか、私が流れ込んでいくのかわかんないけど、陰陽のマークみたいな感じの。不思議な渾然一体とした時間が訪れる。私は多分それが好き。だから、同じだけのつらさをちょっと見たい、強い人専門の、慈愛を担当したいと言う、特殊性癖チームなんだろうなと思う。まあ別の相手にとっては私が逆の立場にもなるんだけど。同じ相手にとっても場面によって受け容れ側が変わるし。なんかBLの話してる?
結局、私も私の首を絞めて、自分の恥部の面倒を誰かに見てほしいと思ったりする。折れるってキモチイイから。当面、ひりつくような自分をやっていくしかないな。こういう感じでしか生きられない。
電話口で、
「大学院出てから外側に綺麗なもの探しに行ったんだけど、全然なくておかしくなっちゃいそうなの。」
と、私が言ったら、
「それ、、、、たぶん、、、外にない、、、。多分、本の中とかに、、、ある、、、、。」
と言われて、
「そっかーーーーーー!!!」と返した。
どおりで!
オタクと文学部以外に友達がいなかったから気が付かなかった。なんでフィクションで露悪的だとされてるダサい行為をわざわざ現実でやる人がいるのか!と思って、慌てて卒倒して、人間の魂を糾弾し続けてました。
私は、内面が充実した人たちの心の中の砦を、盾にして、その輪の中で自分の内面を掘り下げることをせずに、手抜きをして、寄りかかって、生きてたから知らなかったんですよ。
でも、「ないよ」って言い切ってくれる人はいなかった。言い切るって、覚悟なんだよな笑。んでもって、でも、外側にあるんじゃないかと思える私の色味も相対的に別の魅力が出るからな。全ては鏡合わせ。
電話口の声が「外界に怯えてる人って、セクシーですよね!」と言ってて、ウケた。私は「ダメだよ!」と言った。本当だから。
内向の城の外に、きれいなものはどこにもなくて、薄々そんな気がしてて、この世にはきれいなものは、もう見つからないかと思って絶望してた。そしたら、突然、現世のダイソー店員に、「そこになければないです」と責任を持って言われて笑ってしまった。現世管理部?
ああ、美しさって、人の心の中にしかないんだ!じゃあ、逆に言えば、私が今まで感じてきた美しさは、私が私の心の中で見つけものなのか!と思った。
私はすぐに、「じゃあもう、探しにいきません!」と言った。即決!自分でサンクチュアリを紡ぐしかないんだな。心を磨こう。
彼女は「それがいいと思うし、私は外側の時間がどれだけ流れても、ずっとこの時間軸にいますから。」と言っていた。私がいじいじしながら、「また、電話していい?」と言ったら、「こんなになる前に、もっと早く言ってくれればよかったのに。」と言ってくれて、きゅーっとなった。
私がケアしたい対象は、超、極限状態にのみ向けられている。それは個人的な性欲すぎる。幅広いものへの慈愛を持ってないことがちゃんとわかってよかった。利己と利他のバランスが崩れるとおかしなことになる。あたしの善人ぶった態度は、あたしの性欲だなぁ。あーあ、神でも仏でも巫女でも、なくてよかった。
今朝、
「私が虎になって発狂したら、袁傪になって止めてね。」
とLINEが来てたので、
「おっけー♡よろこんで!♡」
と書いた。なんもできなくてもいいよ♡
ああ 「あきらめた」って言わなくちゃ
頭の中でノイズが鳴り止まないから
空っぽが埋まらないこと 全部バレてたらどうしよう
ああ あの子の言うとおり 終わりなんだ
ああ 幸せになっちまうよ
ああ 失うのがつらいな 全部無駄になったら 愛した罰を受けるから
ひどく優しいあなたの 胸で泣けたらどうしよう 最後見たのはそんな夢
わたし ちゅうぶらりん
『きゅうくらりん』 いよわ/iyowa
まあでも、好きな人が、壊れる前に、消えちゃう前に、間に合え!という気持ちは、いつもちゃんと真剣に持ってるな。現世という、バレーボールのコートの、リベロでありたすぎる。いちばんつよいチームの、いちばん小柄で、胆力のある係がいいな。死ぬ気で球を拾い続けたい。私もまた、母性と、男性ジェンダーがふりきれているのであった。
😉💓