美人ブログ

お待たせいたしました、美人でございます。

裏・友人代表

 

思えば、様々な背景や場であなたを知る人、また、あなたを初めてご覧になるであろう新郎の知人の方々の前で話せるようなこと、伝えられることなどほんのひとにぎりだと思うのです。

 

私が本当に私でいられる場所はここであるし、わたしから見たあなたのをことを綴れる場所はここであるし、美しい式場で語る言葉とはまた別に、ここに綴る言葉もまた正なのではないかなと思います。

自分が欲しいと思った理想の生活を、この街で手に入れてきたあなたが好きです。

 

同世代の他の人たちや、昭和も平成もとうに過ぎた時代の流れをものともせず、掴んでいくところが好きです。結局のところ、私もあなたも、自分の手で舵を取って、欲しいものが欲しい、見たいものが見たい、食べたいものが食べたい、そのために手を尽くす、という根底のところがものすごく似ている、と思います。

 

自力と他力はメビウスの輪のようなものであると思うけど、そもそも、それほどまでに我を通す人たちはあんまりいないみたいです。加えて、頭の奥がビリビリする刺激が欲しい。凡庸より、ゴージャスな当たりを見たい。

 

林真理子の「野心のすすめ」が好きだ、と話すあなたは、どこかのタワマンに住んでいる今も、そのハングリーさを隠しません。

 

先日、日大の学長に林真理子が就任したという話題について「ねえ、林真理子がさぁ」と口火を切った途端、示し合わせたように「そう、日大の!」と帰ってきましたね。あの時、一緒に声を上げたのは68歳になった林真理子の人生に新たな幕開けが存在したことへのよろこびではないでしょうか。

 

あなたの愛するココ・シャネルは、71歳でクチュール・メゾンの再開を決意しましたし、有名なシャネル・スーツはこのカムバックののちに誕生したものです。87歳で亡くなるまで、コレクションを生み出し続けました。

 

人生は長く、結婚式は通過点のひとつかもしれないけど、その通過点を愛おしく思うこととも、また共存する価値観だということを、互いに認識していると思っています。

 

式場の扉が開いてあらわれた花嫁姿のあなた、そしてあなたが選んだドレスは、とてもノーブルな魅力のあるもので、やっぱりよく似合っていました。18歳の頃に出会ったあなたが、今日のこの日を手に入れたこと、その姿に、貫く人の眩しさと、痛快さを感じます。

 

式場では言えない、あなたの好きなところを言います。

 

ラウンジで働いていた頃、知性のある会話ができることでお客様からもてはやされるあなたは、それを妬む他の女の子に靴を隠されていたそうですね。あっけらかんとそのことを語り、そんなことは全く気にしない、強さが好きです。

 

ハイブランドや、フェミニンな家具や、きらびやかなレストランやホテルを愛しながら、何故か処刑器具の知識に長けていて、明治大学の地下にある拷問博物館に行った話を、私がかつて働いていた馬場のピンク色(変な意味ではなく)のファンシースナックにやってきて滔々と話してくれたりするのは面白いのです。

 

アフタヌーンティーをしているとき、ココ・シャネルの格言の本の中の「ココ・シャネルには、女友達が1人しかいませんでした。」というページを見せてくれて、私には2人いる、そのうちのひとりが美人ちゃん。と言ってくれたこと。

 

臨月の身体を抱えて、たったひとりで『あの娘は貴族』を見に行くところ。これは非常に風刺的だと思い、好きなエピソードです。

 

あなたが、ほくろ除去のレーザー美容整形を受けたのち、ダウンタイムに顔中に透明の絆創膏を貼ってマスクにサングラス、大きな縁の女優帽を被ってランチしてくれるところ。信頼という感じで嬉しかった。

 

こんなこと、ひとつも会場では言えません。でも、こういうあなたが好きなのです。大好きなのです。

 

披露宴会場ではあなたの綺麗な姿が1番に見える席に呼んでくれてありがとう。心から、嬉しかった。

 

いい席に座り、スピーチをし、おまけにブーケまでキャッチしてきた。

 

あなたがブーケトスの準備に入り、長い美しいトレーンを引きずって私の前を通り過ぎたときに、「あ、私とるだろうな」と思ったし、そういう時はだいたい手におさまるようになっている。

 

だって、遠慮をせずに無邪気に、もらえるものに力強く手を伸ばすのが、私たちのルールだとおもったから。目の前にブーケが飛んできて、私は手を伸ばして つかまえる。すとんと手の内に収まるのも美しいけど、あなたの結婚式なら、こういう風に取りたかった。

 

定型句で、司会の人に、私は未婚既婚を聞かれるけれど、私がどんな婚姻状態でも、あなたが投げたものを掴みたいと思う。あなたが選んだ幸せなら、もっと大きな意味でそれを受け取りたい。

 

あなたが何度結婚式をしても、何度結婚しても、ガチで取りにいく。何度目でも、白々しい顔をして、私はあなたのブーケをキャッチしたい。スピーチをしたい。文章を綴りたい。

 

これは多分結婚式のスピーチとしてはタブーである。

 

でも、あなたが放った花束を私は手を伸ばして受け取りたい、受け取ろうとしていたい、と願っています。

 

さて、以前、私とあなたが青山のウエストでホットケーキを食べた時、恋多き女加賀まりこが最後にに結婚した夫と老後は毎日麻雀をやって過ごしているらしい、という話で盛り上がりましたね。

 

披露宴で夫婦共通の趣味で麻雀が紹介されていて、にっこりしました。私も、あなたのお子さんが麻雀ができる位の年齢になれば、いつか4人で雀卓を囲みたいと想像します。

 

麻雀のルールを覚えることも、ブーケを取る事も私にとっては何も変わらないから、どちらもできる私でありたい。

 

結婚、本当におめでとう。