美人ブログ

お待たせいたしました、美人でございます。

自分に負えないものまで負おうとするな

 

中高の時仲良かった男女グループで、20歳くらいの頃伊豆熱海のあたりに旅行に行った。その時、同じグループのすごく自己肯定力の低い女の子が、自分は大学に入ってから遊びまくっている、と言っていたのがしんどかった。

 

軽音楽サークルのOBの社会人に喰われまくっており、メイクはどんどん濃くなって、不自然な露出は彼女のコンプレックスを象徴しているようでずっとしんどかった。

 

男子の前であえて「右手が友達(オナニーをよくするの意)」と話したり、なんというか、しんどいのだ。本当にしんどい。ホモソーシャルな会話の中に彼女が無理をして入ろうとしていることが苦しかった。

 

いつもダイエットをしようとしていて、本当は入りたい部活があったのにお母さんにあんたはデブだからバレー部じゃないとダメよと言われてバレー部に入っていた。アナスイの化粧品が好きで、いつも不自然にメイクが濃かった。同じ学校に通っていた頃もブログを匿名で書けば、学年中に広まってdisられていた。一緒にダイエットしたりメイクしたりおしゃれしたり好きなこと書くブログやろ!と言ったのは私なのに、彼女のブログだけが出回ってdisられた時私は自分がしたことがものすごく悪いことなんじゃないかと反省した。何をしても救えない自己肯定力の低さを私は助けたいみたいな狂った願望を抱いていたんだと思う。

 

旅行の時こそっとグループの中のモテる女の子が、「美人ちゃん、あの子のああいう発言はどうなのだ」と私に言ってきた時「でもあの子がコンプレックス抱えたのあんたのせいだと思うけどね」と思わず言ってしまった。

 

中学の頃自己肯定力の低い彼女が、好きだった男の子に振られた時、男の子が、そのモテる女の子を好きなんだ、と言った。彼女とモテる女の子はニコイチくらいで仲が良かったので、彼女は信頼して、「あいつ、あんたのことが好きだったって」と言った。いや、この流れってまあここで終わると私は思ってたんだけど。(モテる女の子は他の子が好きだったため)中学生は愚かなので、その夜モテる女が、その男に電話して「私のこと好きって本当?」と言って、付き合ってしまった。中学生なんてそんなものである。で、結局1ヶ月とか2ヶ月で別れてたな。なんか徳が低すぎて悲しすぎてびっくりした。書いてみると中学生にありがちなことなんだけど、こういうことがひとつひとつ彼女の心を蝕んで、少しずつ今の変な感じに影響を及ぼしたんじゃないかと、考えすぎで、妄想じみてるけど、でも私は思ってしまう。彼女が自分の「経験値」を自慢げにみんなの前で語るたびに、中学の時のその事件が私の心の奥をチクチクと刺す。愛に対して誰も誠実でないことが気に入らなかった。自尊心に対しても誰も誠実でない。私はこの件には関係がないので何も干渉できないし、そのモテる女の子に意地悪言っても意味ないのに、なんでこんなことを言ってしまったんだろうと思った。

 

徳の低いやりとりがある場が私は合わない、というだけなのだ。こんな面倒なことにならない旅行や、楽しい話が今ではたくさんある。その旅行も楽しかったんだけど、私はたまらなく苦しく、思い出すたびに悲しくなる。つまり傷ついたってことだ。そして私にはなにひとつできない。

 

 

中学の頃その事件が起きた時、あまりに彼女がかわいそうで、周囲が美しくないと思ったから、私はしばらくその自己肯定力の低い子と仲良くしていた。

 

高校に入ると、今度はモテる方がクラスのモテる男に声をかけたため、クラス中の女子から「みんなの〇〇君に手を出した」といってハブにされた。彼女はクラスでお弁当を食べる人が1人もいなくなった。それもまた美しくないから、私はその子と仲良くしていた。廊下にある窓の外が見える、机に並んで、最後の2年間をすごした。私は彼女のことが好きで、一緒に妄想ドラマを作ったり、お互い好きな絵本を持ってきて、読んだりしていた。『からすのパンやさん』とか『こんとあき』とか。妄想ドラマづくりはその後大学の友達とやった。

 

私はその間好きだった人が1人だけいたので、それ以外はどうでもよかった。思春期と、そこから続く大学生になりたての関係性って幼くて愚かで下品で大嫌いだったな。自尊心を満たすための愛とか、好意の集め方とか、傷ついた分だけ安売りするとか、自傷行為とか承認欲求のために自分の自慰行為の話をするとか、全てが耐えられなかった。そういうことが起こらない仲間とこの先は一緒にいたいと思う。

 

コロナの前、そのメンバーと東京駅の近くでランチをすることがあったのだが、基本元気な私が途中で具合が悪くなり、トイレに篭って嘔吐しまくっていた。人との遊びの途中で帰ることなど滅多にないのに、その日は身体が耐えられなかった。単に胃腸炎にかかった時期と同じだったからかもだけど。

 

高校の時に私の誕生日のために、彼らが割り勘で買ってくれたブライス人形をお守りとしてリュックに入れ、私は大学の入試を受けに行った。ブライス人形を持って、大学のとある授業を受けていた。何体か増やして、売ったりしたけど、その一体だけは私の部屋にある。それは誠実な愛だから。

 

もっと大人になったら変わるんだろうか。

楽しいこともたくさんあって、思春期だから傷ついたこともたくさんある。ゲロが出るほど美しくないと思ったものとはもう金輪際会わなくても良いのではないかとも思ったりはする。

 

彼らといつか行きたかったスポッチャに、今度は大好きな女の子たちと遊びに行く。