美人ブログ

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『快盗ルビイ』(1988)の話

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「好きな映画は?」と聞かれたら大抵は『キューティーブロンド』と答えることにしている。それは本当である。だけど、そこには、他者に対して「説明がつきやすい」というあざとさがある。自分が選んだ進路や選択肢や、バックグラウンドの話もできるし、それなりに盛り上がるし、ハズレがない。こういう感じで人と話すのは、私のよいところでもある。

 

だけど、よくよく考えてみると、私は多くの人に伝わらないことを自然と選択肢から排除してしまっているんじゃないかと思った。最大公約数に還元されすぎてしまう、美学があるんじゃないかと思う。好きなものにはどこか、「自分がこれを好きだと思われたい」という意識は働くものではあるが、最大公約数の範囲をもう少し自我に近い範囲にすると見えるものが変わるかもしれない。

 

諸事情あり、1人で過ごす時間を増やしてみたところ、自分の奥にあったものが出てくるのを感じた。そういえば、『快盗ルビイ』が好きであった。1988年に公開されていて、監督がイラストレーターの和田誠。主演は小泉今日子である。

 

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爆裂にかわいい。

 

内容はそんなにないんだけど全体的になんかおしゃれ。真田広之がオタク青年役で出てくるんだけど、あまりの冴えなさがすごい。真田広之をこんなにダサくできるなんて!と思う。とにもかくにも、キョンキョンがかわいく、ファッションもかなりイカしている。なんでこんなに好きなのかよくわからないんだけど、和田誠が自分がやりたいことを好きなようにやったからだろうか。個人のこだわりの詰まったものは大抵良いものになるからなあ。

 

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配信がなく、円盤も中古で高いのしかない。神保町シアターの限定公開に合わせて、わざわざ見に行った。5年ほど前だろうか。なんかめっちゃよかったな。

 

劇中歌を和田誠が自分で作詞作曲してるのがいいね。

 

あと、エンディングは、大瀧詠一が書いてる。

 

別に、当時の世代の人に話しても、大して良さが伝わんないと思っているので基本的には言ってない。もしかしたら、「基本的には言ってない」方にこそ自我があるのでは…。と思った。キョンキョンのサブスク解禁の時に、めっちゃ高くなってた劇中歌の入ったシングルが音源出たのめっちゃ嬉しかったな〜。